加守田章二作品集・彌生画廊・2冊/加守田章二陶芸展/氏の作品は既存の陶芸等からの写しは微塵もないので前人未踏で全てが新機軸である

商品説明
加守田章二作品集・彌生画廊・2冊/加守田章二陶芸展/氏の作品は既存の陶芸等からの写しは微塵もないので前人未踏で全てが新機軸である

加守田章二作品集・弥生画廊2冊と加守田章二陶芸展の計3冊でまとめてみました。 1984年 1990年 1980年 厚さ合計約4.5㎝ ゆうメール・レターパック規格外 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。

加守田章二は、変貌に次ぐ変貌の作家である。私は西欧ではピカソ、日本では加山又造を似た性質の作家として思う。先端思考で、新しい何かを不断に表わしたいという欲求に駆られている点も軌を一にしている。

章二は、ハイカラ趣味で、学生時代の制作も卒業間もない頃の制作も、線や面を幾何的な直方にして、その意匠は斬新である。そしてそれから病に倒れるまで約二十五年、絶えず器形を新たにし、意匠を変え、一群のヴァリアント (変化作)から次のヴァリアントへと移っていった。

だが、その作品がどういう推移か、ここでは、敢えて立ち入らない。この文は、加守田 章二のほぼ全作画期を一望にさせる展覧会のために書き、その作品図版集に所収のものだ。文を読むよりも,一見にしかずで、実作及び作品図版が雄弁に推移を物語っていようし、鑑賞者は、それらを通じて了解すれば足りるのだ。

ただ、蛇足までに言うなら、学生時代、日立時代、益子時代、遠野時代、再び益子時代と窯場の場所で時期を一応分けることが出来、益子時代は須恵器風、灰釉、土器風で独自の 形と色を創出、そして昭和四十三、四年に遠野の土を使い始めて以降、変化無窮の独自境に至ると、概括しておこう。 では、その独自境はどういう性質のものか。 形作りがシャープである。自由である。既存の陶芸等からの写しは、微塵もない。だから前人未踏で、全てが新機軸である。

開催のことば

日本経済新聞社は現代陶芸家加守田章二氏の30年の陶歴から代表作65点をえらび、その歩みをたどる展覧会を開くことになりました。

加守田章二氏は昭和8年大阪府岸和田市に生まれ,京都市立美術大学工芸科で富本憲吉氏に学び、栃木県益子で陶芸家として立ちました。この間岩手県遠野に窯を築いて隠棲、一途に現代陶芸の新しい分野に挑戦,つぎつぎと目を見張らせる斬新な作品を世に送り出してきました。その創造的歩みは留まるところを知らず、今日の陶芸界を刺戟しつづけています。

ここに陶歴30年、加守田章二氏の作陶を振り返り、新しい一歩の礎ともされんことを希い、本展を開催いたします。まず、この展覧会開催を御承諾いただいた 加守田章二氏に,そして貴重な所蔵品を本展へ御出品いただいた加守田愛陶家各位,また御協力いただいた方々とくに今泉篤男,吉田耕三両氏に敬意と謝意を衷心より表するものであります。

昭和55年4月
日本経済新聞社

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